不動産付き相続でよくあるNG例5選【大阪の行政書士が解説】

遺言・相続

■ 不動産付き相続でトラブルが多い理由

相続財産に不動産が含まれると、現金と違い「分けにくい」という性質があります。

さらに、売却・管理・税金など複数の判断が必要になるため、家族の意見が合わず揉めやすくなります。

筆者の現場感覚で言えば、トラブルの多くは“事前の情報不足”から生じています。

相続は一度始まると後戻りできないため、あらかじめ注意点を知っておくことが大切です。


■ NG例① 賃貸中物件の「契約・管理」を把握しないまま相続してしまう

● 家賃・契約内容の引継ぎで混乱が起こる理由

賃貸中の不動産を相続すると、賃借人との契約関係もそのまま引き継がれます。


「契約書が見つからない」

「更新状況が不明」

「家賃入金が遅れている」

など、管理会社や親からの情報が不足しているケースは珍しくありません。

● 相続前に確認すべき管理状況

  • 賃貸契約書の有無
  • 管理会社との契約内容
  • 家賃の入金状況
  • 修繕履歴・トラブルの有無

賃貸物件は収益がある一方で、管理を誤ると負担にもなります。

生前の段階で正確な情報の整理をしておくと相続がスムーズです。


■ NG例② 共有持分をそのまま相続し、意思決定ができなくなる

● 共有名義がトラブルを招く典型例

複数人で共有してしまうと、売却や修繕といった決定に全員の同意が必要です。

1人でも反対すれば何も動けないため、結果として不動産が永遠に放置される事態に陥ります。

● 回避策は「事前整理」か「遺言書」

具体的な予防策として代表的なものは次の3つです。

  1. 共有にしない
  2. 特定の相続人に単独相続させ、他の相続人には金銭で調整する
  3. 遺言書で意思を明確にする

不動産の共有は後々のコストが大きくトラブル発展の可能性も高いため、早い段階で方向性を決めておくことが安全です。


■ NG例③ 遠方の空き家を相続し、管理コストだけ負担するはめになる

● 放置が法的リスクになるケース

空き家を放置すると、倒壊リスクや草木の越境などで近隣トラブルにつながることがあります。

さらに近年では行政から「特定空家」に指定されると固定資産税が大幅に上がることもあります。

● 相続前に「活用 or 売却」を決める重要性

遠方で管理できない場合は、

  • 管理委託
  • 活用(賃貸・民泊)
  • 売却
    などの選択肢を検討しておくと相続人の負担を避けられます。

■ NG例④ 相続した不動産が売れず、固定資産税だけ払い続ける

近年、特に地方で頻発している問題です。

● 市場に出しても売れない理由

  • 再建築不可
  • 接道条件が悪い
  • 老朽化が進んでいる
  • 地域の需要が低い

市場調査をせずに相続すると「売れると思っていたのに売れない」という状況が起こりがちです。

● 相続前に価値を把握する方法

不動産会社の無料査定や行政書士・宅建士の事前アドバイスを受けることで、相続後の判断がしやすくなります。

価値の低い物件ほど、早期の確認が重要です。


■ NG例⑤ 遺産分割の話し合いをせず、不動産だけ“なんとなく放置”する

● 兄弟間トラブルにつながる要因

「誰が住むのか」「売却するのか」「管理は誰が負担するのか」を決めないまま放置すると、不動産の固定資産税だけが積み上がり、後から争いになるケースは多いです。

● 遺産分割協議書を早めに作成するメリット

書面化することで、管理・売却・相続割合などの考え方が明確になります。

後のトラブル防止に大きく役立ちます。


■ まとめ:不動産のある相続こそ「事前準備」が最大の防止策

不動産が絡む相続は、現金の相続と比べて複雑さが増します。

賃貸契約や管理状況、共有の是非、遠方物件の扱いなど、確認すべきポイントは多いですが、事前準備さえしていれば大半のトラブルは予防できます。


もし不安がある場合は、早めに専門家へ相談することで安心して進められます。ご不安な方は専門家にご相談ください。