目次
- 朝のはじまり:目覚めと支度
- 午前の時間:仕事や活動へ出発
- 昼下がりのひととき:帰宅とリラックス
- 夕食の風景:みんなで食卓を囲む
- 夜の時間:自分の部屋で過ごす
- 週末の変化:買い物や地域との交流
- 家族とのつながり:安心を共有する時間
- グループホームの魅力と課題
- おわりに:共に生きるということ
朝、顔を洗い、みんなで朝食をとる。日中は作業所や職場へ出かけ、夕方には再びこの家に戻る。そんな一日の積み重ねが、ここでは「自立」と「安心」を同時に育てている。この記事では、障害者グループホームの生活を追体験しながら、家族や地域とのつながり、そして支援する人々の姿を見つめていく。
朝のはじまり:目覚めと支度
カーテンの隙間から差し込む朝の光。
目覚ましの音より先に目が覚める日もあれば、スタッフにやさしく声をかけられて起きる日もある。
個室には好きなカレンダーや写真を飾り、少しだけ「一人暮らし」の自由を味わえる。
洗面所では眠そうな顔の人、すでに元気いっぱいの人とすれ違い、軽くあいさつを交わす。
そのやりとりだけで気持ちがほぐれていく。
朝食は一緒に準備する。ご飯、味噌汁、卵焼き。
できることは自分で、苦手な部分はスタッフにサポートしてもらう。
「おはよう、今日もいい天気だね」
そのひと言が、一日の始まりをやさしく支えてくれる。
午前の時間:仕事や活動へ出発
平日の朝は、それぞれの行き先へ向かう。
A型・B型事業所、会社勤務。出かける場所は人によって違う。
玄関で「行ってきます」と声をかければ、仲間やスタッフが「行ってらっしゃい」と返してくれる。
以前は通勤に付き添いが必要だった人が、今は一人でバスに乗れるようになった。小さな一歩が積み重なり、自信へと変わっていく。
昼下がりのひととき:帰宅とリラックス
夕方、玄関を開けると、夕食の香りが漂ってくる日もある。
ソファに腰を下ろして一息つく人、イヤホンで好きな曲を聴く人。
「今日こんなことがあってね」とスタッフに話す人もいれば、黙って湯飲みのお茶を味わう人もいる。
ここでは「話したい」「話したくない」の気持ちが尊重されている。
夕食の風景:みんなで食卓を囲む
大きなテーブルに集まって夕食をとる時間は、ホームのハイライトだ。
ある日はカレー。玉ねぎを切った入居者が誇らしげに「これ、自分がやったんだ」と話す。
笑い声や何気ない会話が重なり、家庭の食卓のような温かさが広がる。
夜の時間:自分の部屋で過ごす
夕食のあとは入浴や洗濯。支援が必要な人もいれば、自分で全部こなす人もいる。
部屋に戻れば、それぞれの時間が流れる。ゲームを楽しむ人、手紙を書く人、SNSをチェックする人。
眠る前、スタッフが軽く声をかける。
「明日早いから、今日は早めに休もうね」
そのひと言で「ここには安心がある」と実感できる。
週末の変化:買い物や地域との交流
休日は少し特別だ。近くのスーパーに買い物に行ったり、地域のイベントに参加したり。
商店街の人に「いつもありがとう」と声をかけられる瞬間は、地域の一員として迎え入れられた実感になる。
ときには外食や小さな旅行もある。
日常の外に出る体験は、次の挑戦への力になる。
家族とのつながり:安心を共有する時間
月に一度、家族が訪ねてくる利用者もいる。リビングで一緒に過ごしながら、生活の様子を伝え合う。
「表情が明るくなったね」「楽しそうで安心した」
そんな家族の言葉に、利用者もスタッフもほっとする。
グループホームは「ただ預ける場所」ではなく、家族と共に歩む居場所になっていく。
グループホームの魅力と課題
この暮らしの魅力は「安心して挑戦できること」。支援があるから新しいことに取り組め、仲間がいるから孤独にならない。
一方で課題もある。
スタッフの人員確保、建物のバリアフリー化、地域への理解。現場では「どうすればもっと暮らしやすくなるか」を探り続けている。
おわりに:共に生きるということ
障害者グループホームの日常は、特別なものに見えて、実は誰もが持つ「ふつうの暮らし」に近い。
朝起きて、出かけ、帰ってきて、食卓を囲み、眠る。
その当たり前を支え合いながら続けていくことが、「自立」と「安心」を両立させる力になっている。
地域の中で共に暮らす姿こそ、共生社会を形づくる一歩だ。



